庵治石の注意点
庵治石全体の年間産出量は約30万トンといわれていますが、実際製品として市場に出る割合は産出量の1%程です。
それは、庵治石が「不純物の混ざった層」が多く、使用できる部分が少ないうえに、その使える部分にも傷、カサネが多く、しかも赤く錆びている部分があるからです。
それらをきっちりと、一つも見逃さずに取り除き、お墓を創るのが私たちの最も重要な仕事です。
「カサネ」と「傷」
「カサネ」とは、「成分の境目」のことをいいます。
庵治石の「カサネ」は白っぽい筋、錆を含んだ赤茶色の線、緑色の斑点等が多く、厚みや大きさ、見え方は様々ですが、比較的発見は容易です。
しかし、この「カサネ」を取り除かないままお墓を完成させた場合、「カサネ」に沿って点々と、もしくは線に沿って錆が発生したりします。
また、大きな「カサネ」の場合は衝撃や含んだ水分の凍結等で割れてしまう可能性すらあります。(右図の白く筋になっているものがカサネ(ナデ)です。)
「傷」とは、石の成分の裂け目、外的要因によるヒビ割れている部分をいいます。
傷を避ける理由は、お墓としての見栄えの悪さだけではなく、その部分が水を吸い、溜め込みやすいからです。
通常、お墓は屋外に置くものです。そのために気温の変化、雨などの厳しい気象条件の中に長年置かれることになります。
そのような環境における「傷」はお墓にとって致命傷なのです。
大気中の汚れを含んだ雨水を「傷」が吸収、乾燥を繰り返し、その部分が汚れたり、錆がでたりします。さらに悪い場合、乾燥しないまま凍結したら、その部分が膨張し、欠けたり割れたりすることすらあります。
通常、上記のような「カサネ」「傷」は取り除かれて製品になることは絶対にありません。
しかし、最近では「斑に次ぐ新しい庵治石の特徴」などとして販売したり、安く売ったりしている業者がいます。
このような業者で庵治石を買うことは絶対におやめください。
せっかく庵治石でお墓を建てたのにカサネや傷が取り除かれていない為に、上記のような支障が生じられている方も多くいます。
私どもは、製品の加工前、加工後に現地協力会社に出向いての確認作業を行っております。
また、お客様に少しでもご安心していただくために、製作過程を写真添付のメールの配信サービスも行っております。
お気軽にお問い合わせください。